令和元年10月1日から、幼保無償化が始まりました。しかし、まだよく制度が分からなくて何となく払っている、という方も多いと思います。
そもそも幼保無償化とは、「幼児教育・保育の無償化」といって、何か全てが無償化するように錯覚してしまいますよね。
しかし、今まで施設を利用していた人は分かっていると思いますが、「保育料」というのは、あくまで授業料みたいなモノ、「給食費」は保育料とは別に実費で支払うモノです。
では、今回の幼保無償化で「給食費」はどう変わったんでしょうか。これについて詳しく解説します。
幼保無償化による給食費の扱いがどう変わったのか、この記事で詳しく分かりますので、是非最後までお読みください。
給食費はタダになる?主食と副食の違い
出典:photo AC
まず、給食費は主食費と副食費の2つに分かれています。ここがすごく大切です。
- 主食費:3,000円
- 副食費:4,500円
- 合計 :7,500円
幼保無償化前の給食費の扱いをざっくり説明すると、幼稚園の場合は「主食」も「副食(おかず)」も実費負担でした。
保育所は「主食」は実費、「おかず」は保育料に含まれるという制度でした。
今回の幼保無償化では、この取り扱いが変わりということです。次の項からは、この幼保無償化を理解するために「保育園・幼稚園の違い」や「こどもの区分の違い」について説明します。
幼保無償化前の幼稚園と保育園の違い
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これが、幼保無償化前の「保育園・幼稚園の違い」です。幼保無償化後も基本的な利用制度は変わりませんが、「給食費の負担」部分だけが変わります。
保育園 | 幼稚園 | |
目的 | 乳児及び幼児を保育する | 幼児を教育する |
対象年齢 | 0歳から小学校入学前まで | 3歳から小学校入学前 |
給食費の負担 | 主食費実費 | 主食費・副食費実費 |
所管 | 厚生労働省 | 文部科学省 |
この表でも分かるように、幼保無償化前の「幼稚園」は、副食費(おかず)が保育料に含まれています。
幼保無償化後は、この保育園か幼稚園かの違いがなくなります。つまり、幼保無償化後は保育園も副食(おかず)費の「4,500円」を実費で負担することになります。
こどもの区分で実費負担額は変わる
こどもの区分(認定区分)は、以下の表のように分かれています。この分け方は、幼保無償化になっても変わりません。
1号と2号の違いは、働く必要性(保育の必要性)があるか、ないかで違います。1号はない、2号はある場合です。
この、幼保無償化後はこの区分によって、給食費の取り扱いが変わりますので、しっかりチェックして下さい。
認定区分 | 対象年齢 | 住民税要件 | 保育の必要性 | 利用可能施設 |
1号 | 満3歳〜5歳 | 支払義務あり | なし | ・幼稚園 ・こども園 |
2号(保育園) | 満3歳になった日以降 | 支払義務あり | あり | ・保育園 ・認定こども園 |
3号(保育園) | 0歳〜2歳 | 非課税 | あり | ・保育園 ・認定こども園 ・地域が他保育事業 |
幼保無償化前の給食費の実費負担は以下の様になっていました。
・1号は幼稚園なので、主食費も副食費(おかず)も実費負担でした。
・2号は保育園ですので、主食費だけが実費負担でした。
・3号は年間所得が低いなどの理由で「住民税が免除」される世帯なので、給食費も免除されていました。
このように、認定区分によって給食費の実費負担にも違いがありました。この実費負担が、幼保無償化後から変わります。
住民税非課税とは
3号にあたる主な世帯です。
・生活保護の規定による生活扶助を受けている人
・障がい者、未成年者、寡婦・寡夫で、前年の中の合計所得が125万円以下の人
2号の世帯だけ給食費負担が増える?
幼保無償化後によって、給食費の実費負担の1号・2号による「違いがなくなります」。
つまり、1号は幼保無償化前と同じ主食費も副食費(おかづ)も実費で負担します。2号が副食費(おかづ)の「4,500円」を、今までより多く実費負担するようになります。
3号は幼保無償化後も給食費の負担免除が受けられます。
<幼保無償化後の給食費負担>
・1号:主食費+副食費
・2号:主食費+副食費
・3号:免除
1号と2号の給食費の負担は同じ7,500円!
今回の幼保無償化では、あくまで保育料が無償化されるだけで、給食費は今まで通り実費で負担することに変わりはありません。
幼保無償化後の違いは、2号の子ども世帯だけ、実費負担額が4,500円多くなります。月に支払う給食費の実費が高くなったという訳です。
毎月の実費負担が増えますから、2号の働く必要性がある世帯の家計への負担が大きくなりました。
幼保無償化による給食費の保護者負担の違い
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この記事では、できるだけ要点だけをまとめてみましたが理解することができましたでしょうか?
今までは保育園と幼稚園で違いがありましたが、幼保無償化によってそれがなくなりました。
結局、国の方針である「食費は自己負担」を幼稚園・保育園・認定区分で分けていたモノを一律にし、その分保育料を無償化した、ということですね。
働く必要のある世帯だけ給食費の実費負担、保護者の負担額が多くなってしまったのは残念な気もします。
では、たくさん食べて元気に行きましょう!