子どもがジュースを飲みすぎてしまう…健康に影響がないのかどうか気になりますよね。
糖尿病や肥満、ジュースなどの甘いものを過剰に摂取するリスクを徹底解説します。
そもそも、なぜ子どもはジュースを飲みすぎてしまうのか、その気になる理由をまとめました。
そして子どものジュースの飲みすぎ問題をスッキリ解決する、7つの方法を紹介しています。子どもの健康面が気になる人はぜひ参考にしてくださいね。
目次
子どもがジュースを飲みすぎてしまう5つの理由
嬉しそうにジュースを飲んでいる子どもを見ると、ついつい購入して与えてしまうという人もいるのではないしょうか。
子どもがいつの間にかジュースを飲みすぎていた、そんな理由を詳しく見ていきましょう。
ジュースが飲める環境にある
ジュースがいつでも飲める環境にあるから、という理由は大きいでしょう。
そもそもジュースそのものがないと、飲みすぎてしまうことはありませんよね。
冷蔵庫をあけたときにおいしいジュースがあれば、ついつい手が伸びてしまう、そんな子どもは多いはず。
仮に手が届かない場所にジュースを置いたとしても、踏み台を持ってきて、ジュースを取っていたということもあるでしょう。
親や周りの人がジュースを飲んでいる
子どもは家族や周囲の人をよく観察しています。
そこで、おいしそうにジュースを飲んでいる姿を見ると、興味津々で自分も飲んでみたいと思ってしまうのです。
家族は食べ物の好みが似通ってしまうことはよくありますよね。つまり、子どもが置かれている環境によって、いつの間にかジュースを飲みすぎていたということがあるでしょう。
麦茶や水が苦手
汗っかきな子どもにとって、水分補給は欠かせません。
そんなときに、ノンカロリーでカフェインレスの麦茶や水を飲ませたいという人も多いでしょう。
中には、麦茶や水などの苦味や無味が苦手な子どももいます。
ジュースの場合、子どもが好む風味が添加されていておいしく飲めるようにつくられています。
子どもの中にはジュースを飲むようになってから、ますます麦茶を飲まなくなったというケースもあるでしょう。
祖父母が与えていた
祖父母にとって孫は、特別にかわいい存在。
そんな孫にジュースをせがまれたらあげたくなりますし、来ることが事前に分かっていたらジュースを準備してくれていることもあるでしょう。
母にジュースをせがむと怒られるけど、祖父母ならいつでも出してくれるからと、あえて祖父母に頼む子どももいます。
そんな場合はコッソリ、ジュースを飲みすぎていたということになります。
中毒になっている
ジュースだけではなく、アイスクリームやチョコレート、子どもは本能で甘いものを摂ろうとします。
甘いものを食べると「ドーパミン」(脳内麻薬)が出て心が満たされます。
ですが、ドーパミンは長続きしないため、ジュースなど手っ取り早く糖分が摂取できるものを欲しがります。
心が満たされないとイライラが募り、ジュースを求める…その繰り返しで中毒に近い状態になっているのです。
どれくらい?子どもが1日に飲んでも良いジュースの量
米国心臓学会によると、2~18歳の子どもの1日当たりの添加糖摂取量は、ティースプーン6杯分(熱量100カロリー、質量25g)と同等未満にするべきとの報告があります。
添加糖とは、果物など食品そのものに含まれる糖質ではなく、食品を摂取する際に、砂糖、果糖、はちみつなど、添加する糖質のこと。
ちなみに、オレンジジュースなどの柑橘飲料では、一般的なデータによると100mlあたり11gもの糖質が含まれている計算になります。
チョコレートのおやつにオレンジジュースを飲んだら、あっという間に添加糖摂取量の目安をオーバーしてしまいます。
ジュースに含まれる糖分は、全体の10%程が目安なので、オレンジジュースでなければ大丈夫という訳ではありません。
そしてジュースやおやつだけではなく、三食の中でも添加糖摂取をしているので、基本的にはジュースは不要、もし飲むとしても1日100ml程度にしておくのが良さそうです。
イライラ、落ち着きのなさも! ジュース飲みすぎのリスク7つ
「ジュースは健康に悪影響なのは分かるけれど、具体的にどんなリスクがあるの?」と気になる人も多いでしょう。
ここではジュースなどの糖分の過剰摂取によって起きる7つのリスクを解説します。
糖尿病
糖尿病は、インスリンの働きが鈍ることで、血糖値が下がりにくくなってしまう症状です。
ジュースの飲みすぎなどで砂糖を大量に摂取すると、血糖値を下げようとして、大量のインスリンが放出されます。
インスリンは、血糖値を下げるだけではなく、細胞に糖を吸収させる働きもしますが、その機能が働かなくなると食べてもエネルギーになりづらく、摂取した糖が排出されやすくなります
インスリンは一生のうちで分泌される量はほぼ決まっているとされ、慢性的に分泌される状況に陥ると、徐々にその作用が鈍っていきます。
そして糖尿病の恐ろしいところは一度発症してしまうと完治は難しいため、継続的なケアが必要になる点です。
肥満
肥満は、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回り続けることで生じます。
文部科学省の調査によると、肥満児(肥満傾向含む)の割合は増加傾向にあり、その割合は5歳男児で3.65 % 、10歳男児で14.24%の数値となっています。
つまり小学校中学年では1割を超える子どもが肥満ということになります。
肥満の子どもが増えた背景には、食生活やライフスタイルが大きく関係し、その中でも、ジュースやおやつなどの過剰摂取が大きな影響を与えているとされています。
3~5歳の1日当たりの推定エネルギー必要量は、1250~1400 kcalです。オレンジジュースを1日に500ml飲むと、200kcal程。
子ども用お茶碗にご飯をよそった場合で150kcal程なので、いかにジュースが高カロリーかということが分かります。
肥満は生活習慣病とも呼ばれる、糖尿病・脂質異常症・高血圧などの原因になったり、動脈硬化を促進したりと、子どもにとってメリットは何もないと言えます。
腹痛や下痢
冷たい飲み物を一気に飲んだり、大量に摂取したりすると、腹痛や下痢を引き起こすことがあります。
これは腸が刺激された結果によるもの。
そしてジュースとなると、ジュース中の糖質の吸収不良によって、慢性的な下痢や、腹痛、お腹の張りを起こす場合があります。
具体的には、ジュースに使われている、フラクトース(果糖)やソルビトールなどの甘未料が関与していると言われています。
食欲減退
ジュースやお菓子など糖分を摂取すると、血糖値が急激に上がるため、満腹であると錯覚します。そのため、食事の前や食事中にジュースをがぶ飲みしてしまうと、ご飯を受け付けなくなることも。
もちろん健康的な体をつくるためには、食事から栄養をきちんと摂ることが欠かせません。
そのため、ジュースを飲むタイミングを間違えると、食事から必要な栄養素を摂取することが難しくなり、子どもの成長に悪影響をもたらす恐れがあるのです。
砂糖依存症
ストレスを抱えていたり、疲れていたりするときに、甘いものが無性に食べたくなるという経験はないでしょうか。
甘いものを摂取すると、ドーパミンなどの脳内神経伝達物質が分泌され、快感を得やすくなります。
ある意味、麻薬のような性質があるので、無意識に脳が甘いものを欲している状態に。
もちろん、子どもの脳も同じ構造で、ジュースを飲んだときの幸福感や快感を味わうために、とめどなくジュースを欲してしまうのです。
子どもは甘いものがほしいのではなく、快感を得るために、ジュースなどの甘いものに依存するようになります。
虫歯
お口の中はいつもpHは7.0程度、中性に保たれています。
そこで食事をすると、食べ物に含まれる酸などよって、一時的に口の中は酸性になります。
お口の中が酸性になると、歯の表面が溶け出し、虫歯菌の働きが活発化します。
そんなときは唾液が口の中を洗い流し、中性に保とうと作用し、ゆっくり時間をかけて中性にしていきます。
しかし甘いジュースをダラダラ、ちびちび飲み続けると、唾液の働きが追いつかずに常に酸性に傾きがちになり、虫歯ができやすくなります。
情緒不安定
ジュースやチョコレートなどの糖質を多くものは、摂取することで脳のエネルギーになりまが、血糖値を急激に上げ下げしてまう特性もあります。
甘いものを大量に摂取すると、血糖値を下げる働きを持つインスリンが大量に分泌されることで血糖値が急低下し、低血糖状態になります。
すると「甘いものを摂取しろ」と脳が命令し、空腹でもないのに、甘いものを欲してしまうことに。
そこで、甘いものが摂取できないと、イライラや不満、落ち着きのなさなどが顕著に現れます。
この負のスパイラルに陥ると、簡単に抜け出すことはできないでしょう。
問題なさそうな飲み物も、実は安心できない
甘いジュースの飲みすぎによるリスクがわかったところで、それ以外の飲み物なら安心できるのかどうか気になるところ。
ここでは、糖質ゼロのジュースや野菜ジュースなどの特徴をご紹介します。
糖質ゼロのジュース
糖質ゼロなら砂糖が入っていないし、問題ないのでは?と思う人もいるかもしれません。
糖質ゼロのジュースは、砂糖の代わりに人工甘味料が入っている場合が多くなります。人工甘味料は、砂糖のような自然に存在するものとは異なり、人工的に化学合成された甘味料です。
人工甘味料は砂糖とは違うので、血糖値の上昇が起こらないのですが、満腹感を得にくく、食欲が増進され、食べ過ぎの原因になってしまう懸念があります。
また人工甘味料の強い甘味に慣れると、味覚が鈍くなり、より甘いものを欲することにつながります。
野菜ジュース
野菜と付くため、安心なイメージがありますが、野菜ジュースには苦味をカバーして飲みやすくするため、砂糖が多く含まれています。
もし野菜ジュースを手作りしたとしても、子どもにとっては飲みづらいでしょう。
そう考えると、野菜ジュースには砂糖などの多くの添加物が含まれていることがわかります。
そして野菜ジュースは、野菜の搾り汁から作られますが、野菜に含まれるビタミン・ミネラル・食物繊維などは、あくまでも生の野菜や搾りかすの方に含まれています。
そのため、野菜ジュースをたくさん飲めば、栄養が補えるということには直結しません。
フレーバーウォーター
フレーバーウォーターは透明で、果汁を含んでいるのが特徴で、見た目は水のようです。
そのため、たくさん飲んでも問題ないと考える人もいますが、フレーバーウォーターは砂糖・香料で味をつけた飲み物で、カロリーもしっかりあります。
一見すると、体によさそうに感じますが、砂糖が多く含まれているという場合も多いので、パッケージをよく確認した方がよいでしょう。
子どものジュース飲みすぎ問題を解決する!7つの方法
子どものジュース飲みすぎをすっきり解決する方法をまとめました。
出典:プレミアムウォーター
ジュースを購入しない
ジュースが飲めない環境にするには、ジュースを購入しないことが手っ取り早い方法です。
冷蔵庫を開けてもジュースがなければ飲むことは出来ません。
ジュースがなければ他の飲み物で水分を補おうとするので、ジュースを購入しないというシンプルな方法が効果的と言えるでしょう。
病気のリスクを伝える
子どもがある程度の年齢なら、病気のリスクを伝えることもできるでしょう。
「ジュースを飲みすぎたら虫歯ができやすくなって、歯医者さんに行かないといけないよ」「ご飯がしっかり食べられくなるから、カッコいいお兄ちゃんになれないよ」など、子どもがイメージしやすい言葉で伝えることが大切です。
ただ必要以上に不安をあおらない様に、声かけをすることを心がけましょう。
飲むタイミング・量を決める
ジュースを完全に辞めさせるのは難しいもの。ジュースと良いお付き合いをしていくために、ルールを作るとよいでしょう。
具体的には、1日に飲むジュースの料はコップ1杯、ジュースを飲むのはご飯の後といったルールを決めます。
そして子どもがそのルールを守れたら、褒めるということを徹底しましょう。
子どもは褒められることがうれしくて、ルールを意識した行動をとるようになります。
外出時は水筒を持参する
子どもは新陳代謝が活発で、よく汗をかくためこまめな水分補給が大切です。
そのため、外出先でのどの渇きを訴えることがよくあるでしょう。そんなときに飲み物がなければ、自動販売機で購入したり、コンビニに寄ったりするはめになります。
そこで、お茶や水をいれた水筒持参でお出かけすることを徹底します。
すると、素早く水分補給ができるだけではなく、ジュースを外出先で購入する必要がなくなるので、節約にもつながります。
スーパーに連れて行かない
スーパーに行くと、魅力的なジュースがずらり。子どもは目を輝かせ、ジュースコーナーに行き、欲しいジュースを持ってきます。
そこでジュースの購入を却下したら、機嫌を損ねて面倒な事態になりかねません。また子どもの要望に合わせると、ジュースを断つことはできないでしょう。そんな理由から、スーパーに子どもを連れて行かないというのも有効な方法です。
お茶を常備する
冷蔵庫を開けて、手が届きそうなところにジュースがあればついつい手が伸びてしまいます。
そこでお茶を常備し、のどが渇いたらお茶を出すということを徹底しましょう。
子どもにとって、のどが渇くとお茶を飲むという習慣がつくられます。
ウォーターサーバーを導入する
ウォーターサーバーは自宅でいつでもおいしい水が飲めるサービスです。
子どもの健康を考えて導入する家庭が増えています。
ウォーターサーバーの水にはさまざまな種類がありますが、その中でも、子どもの成長に欠かせないミネラルを豊富に含んだ「天然水」はおいしいと評判です。
子どもが自分でグラスに水を注げるので、ジュースのかわりにおいしい水をゴクゴク飲むようになったという例もあります。
子どものジュース飲みすぎ問題まとめ
子どもがジュースを飲みすぎてしまう理由や、すっきりジュースを辞めさせる方法についてお伝えしました。
新陳代謝が活発で汗っかきな子どもにとって、こまめな水分補給は欠かせません。
そんなときに砂糖たっぷりのジュースで補ってしまうのは、健康面のメリットは何もないと言えるでしょう。
健康のことを考えて水分補給をしていきたもの。子どものすこやかな成長につながるよう、できることを試してみてくださいね。