小学生の子どもが勉強できない、テストの点数が悪い…このままにしておいて大丈夫?と気になりますよね。
学校の成績が悪いから、必ずしも将来に影響があるとは限りませんが、学力によって仕事の選択肢が狭まることもあるでしょう。
また親からしても、勉強のことで叱責したり、落胆したりするのは正直つらいもの。
今回は小学生が勉強に行き詰まってしまう原因、対策について解説します。
まずは、子どもが「勉強って楽しい」と思える環境作りから始めましょう。
勉強の習慣が身につくために、できることをいくつか紹介しているので、ぜひ試してみてくださいね!
目次
勉強できない小学生が増加?最新の学力データ
▌勉強に楽しさを見いだせない子どもたち
日本の小学生・中学生の学力データについてちょっと世界と比較してみましょう。
文部科学省の「国際数学・理科教育動向調査」という小学生・中学生の学力を測定した調査によると、算数の平均点は58ヶ国中5位でよい水準を保っているという結果がでています。
しかし「算数(数学)が楽しい・得意」と答えた児童生徒の割合は、国際平均では84%であるのに対して、日本では77%。
そして中学生になると、勉強が楽しいと答える生徒は56%まで大きく低下しています。
このデータから、日本の子どもの成績は高い水準ではあるものの、勉強に楽しさを見出せない、ただ勉強している子が多いということが浮彫りになっていると言えるでしょう。
▌高校生に見られる読解力低下
大学受験など、進路の大きな分岐点を迎えている高校生の成績はどうでしょうか。
文部科学省の調査によると、日本の高校生は「読解力」が低下していると報告しています。
読解力とは、文章を読んで理解することで、一見すると学校の勉強で役立つもので、生きていく上ではあまり関係がないのでは、と思う人もいるかもしれません。
しかし、読解力は生きていく上で大切なスキルです、たとえば仕事で、先方とメールや資料を用いてやりとりをすることがありますが、そこで読み取る力がない場合は、必要な段取りができない、適切な提案ができないといったこともあるでしょう。
日本の高校生は、情報を探し出す・塾考する能力が他国と比べると低いというデータがでています。
この原因はスマホで欲しい情報がすぐに手に入る、読書の機会が減っているという理由もあります。
そんな読解力はすぐに身につくものではなく、積み重ねていくもの。
小学校のできれば低学年から養っていくと子どもの人生にプラスに働くでしょう。
上記のように、日本の児童・生徒の現状を踏まえると、勉強に対しての対策は早めしておくことが肝心と言えますね。
勉強ができない・苦手になってしまう4つの理由
ここからは、なぜ子どもが勉強をしたがらないのか、苦手意識をもってしまうのか、その主な理由を見ていきましょう。
▌勉強に楽しさを見出せない
子どもは勉強する時に、楽しそうに取り組んでいるでしょうか。たとえば自分が好きだと感じるものに対しては、どんどん知りたいし、積極的に関わりたいもの。
反対に嫌だな、やりたくないなといったネガティブな気持ちが強いと、行動するのが億劫になってしまいますよね。
テストで良い点がとれた、親や先生から褒められた、問題が解けてうれしい、といった成功体験がない場合、勉強に楽しさを見出せないこともあるでしょう。
▌勉強のやり方が分からない
そもそも、何を問われているか分からない、問題の趣旨が分からない、やり方が分からないと困っている子どもも多いはず。分からないと勉強に集中できませんよね。
この場合は放っておいても事態は悪化するばかり。何がわからないのか聞いてみてヒントを積極的に出すなど手助けすることが大切です。
そして勉強というと暗記をイメージする人も多いと思いますが、たとえば基礎科目の一つである算数は、「積み上げ式」の科目。2年生で習った公式が理解できないと、応用問題が解けないといったケースもあるため、つまずきは早めに対処しておくことが肝心です。
▌習慣になっていないから身につかない
勉強する習慣がない場合、帰宅後何となくテレビをつけて、好きなアニメをみて時間を過ごしてしまうこともあるでしょう。
勉強は繰り返し行うことで、定着していきます。そのため、テストの前だけ、宿題をとりあえず終わらせるだけでは身につきにくいのが現実です。
帰宅後おやつを食べたら宿題する、夕ご飯前にワークブックをするなど、帰宅後の時間割を決めておくと、勉強の習慣化につながるでしょう。
▌集中できる環境にない
自宅には、DVDやゲーム、おもちゃなど、子どもの興味をひくものがたくさんあります。気になることがあるからじっと座って勉強することが難しく、そわそわしてしまうこともあるでしょう。
また兄弟がいる場合、アニメを見ている兄弟につられて勉強がそっちのけになってしまうということもあるかもしれません。
他のことに目移りしてしまうと、勉強も中途半端になりがちに。この時間はテレビをつけないなど、子どもが集中して取り組める環境をつくることが大切です。
将来どうなる?勉強ができない子どもをそのまま放置してしまうリスク
子どもが勉強できない状況を、解決しないでいると将来どうなってしまうのか、考えられるリスクを挙げています。
▌勉強嫌いになる
勉強が分からない、苦しんでいるのにもかかわらず、周囲から色々言われると、苦手意識が増幅していき、勉強に対してよいイメージを持てなくなるでしょう。
勉強嫌いになると、ますます勉強から遠ざかり、成績にも悪影響を及ぼすことも。また勉強が好きで意欲的に取り組む子とは、学力の差が開いていくことも想定されます。
▌学校が楽しめない
学校は「勉強」をする場所で、朝から夕方まで多くのことを学びます。勉強が分からない、苦手意識が強いと、学校に通うことに対して、苦痛に感じることもあるでしょう。
勉強することに意義が見出せないと、学校を辞めたいと思ってしまう場合も。貴重な学校生活は、ポジティブな気持ちで送って欲しいですよね。
▌自信が持てない
勉強する上で、「わかる」「できた」は大きな自信となり、自己肯定感にもつながります。しかし自分は勉強ができないという気持ちでいると、自信が持てない、能動的に取り組めないということにつながるでしょう。
そして自信が持てないでいると、物事に対して否定的・消極的になってしまうことも。勉強だけではなく、さまざまな場面でマイナスに働いてしまうことも考えられます。
▌希望する仕事に就けないことも
まだまだ日本は、学歴社会です。希望する仕事に就くために資格が必要だったり、一定の学歴が必要という場合も多くあります。
そして学歴の違いによって、生涯賃金にも差があるということも報告されています。勉強ができることで全てが叶うとは言えませんが、仕事の選択肢に違いがでてくることはあるでしょう。
勉強ができない・苦手を克服!5つの対策
ここでは子どもの勉強できない・苦手の気持ちをケアしつつ、取り組める対策を紹介します。
【対策1】子どもの話を聞いてみる
子どもの困りごとを聞いて、理解してあげることが大切です。
たとえば、子どもが勉強できない理由には、他に気になることがあるから、勉強のやり方が分からないなど、さまざまな理由があるでしょう。
分からないことがあるならそちらを解決するのが大切ですし、子どもの中では勉強する順序を決めているならそれを見守ってあげることも大切です。
まずは子どもの思いに耳を傾けてみましょう。
【対策2】勉強を強制しない
子どもがだらけていると「勉強しなさい!」「いつ宿題するの?」と声かけをしたくなりますよね。そうすると、イヤイヤ勉強することになったり、やる気をダウンさせてしまったりすることもあるでしょう。
だるそうに勉強している子どもを見ると、親はイライラが増し、子どもはモチベーションが下がりよい結果には結びつきません。
そんな時は少しゲーム要素を取り入れてみて。
たとえばタイマーを設定して、「この時間だけ集中しよう!」「どれだけやれるのか挑戦してみよう!」といった声かけをするのもよいですね。
強い言葉にならずに、子どものやる気を出す言葉かけを実行しましょう。
【対策3】ルールをつくる
子どもが集中して勉強できそうな時間はいつでしょうか。帰宅後、夕食前・後、朝など生活スタイルによっても異なりますよね。
あらかじめ勉強する時間を決めておくと、「いつ勉強するんだろう」といったイライラも起きにくくなりますね。
この時間になったらテレビをつけない、集中して勉強するといった決まりをつけておくことで勉強の習慣につながります。
【対策4】親も一緒に勉強する
子どもの中には、勉強をするのは孤独だなと感じている場合もあります。
子どもの勉強につきっきりになるのは、なかなか難しいのですが、例えば家事の合間の5分間だけでも、子どもの勉強を見るというのもよいですね。
子どもが勉強している隣で、大人が資格の勉強や読書をするなど、真剣に取り組んでいる姿を見ると、それに触発されて勉強に集中できる場合もありますよ。
【対策5】 通信教育を有効活用
子どものために塾に通わせたり、家庭教師をつけるのはなかなか大変ですよね。
そんな場合は家庭で学習できる教材を活用しましょう。
基礎固めができるものや、タブレットを通してゲーム感覚で学べたりするものなど、子どもの学習をサポートする教育がありますよ。
無料でお試しできるものや、月額費用が安いものもあるので、まずは子どもに合うか試してみるとよいでしょう。小学生におすすめの教材をいくつか紹介しています。
▪ポピー
問題やさしめでリーズナブル! まず試すならコレ!
ポピーは、学校の教科書に沿って作られている教材です。復習・予習などの「基礎固め」をしたい子どもにピッタリです。
付録がないシンプルさがウリで、ワークブックに集中して取り組めます。オールカラーで見やすい作りになっているのもうれしいポイント。
リーズナブルな価格で始められます。
・月額:2,500円~
・基礎固めをしたい子どもに
・「無料」で教材の一部を抜粋した見本が試せる
▪こどもチャレンジ
赤ペン先生でおなじみ、家庭学習教材の定番!
子どもが好きな通信教育NO.1(2020年)を受賞するなど、人気の高い教材です。
オリジナルキャラクターが登場し、ゲームを楽しみながら、いつの間にか勉強の習慣が身についていたという利用者も。
タブレット学習・ワークブックどちらでも選べますが、課題を提出すると、赤ペン先生からの添削が貰えてモチベーションアップにも。
小学校で必修科目となったプログラミングも学べます。
・月額:2,980円~
・1日15分から!楽しく勉強の習慣化
・タブレット学習あるいはワークブック、お好みで選べる
▪すらら
進度に合わせて教材も変化する、無学年方式を採用!
すららは、「勉強キライを克服したい」「子どもに合った最適な学習をしたい」といったお悩みを解決するタブレット学習です。
子ども1人に付き、専属のコーチが付き、学習設計から学習のチェックまで徹底サポート。
「無学年方式」を採用し、さかのぼり・さきどり学習と子どもの理解度に合わせて進められます。
月額のコストは若干高めですが、家庭教師を頼んだり、塾に通ったりすることを考えると、コスパが良いと言えますね。
・入会金:7,700円/月額:8,800円~
・科目ごとに習熟度が違う
・専属のすららコーチが学習設計
▪RISU算数
100点をたくさんとって自信がつく、算数特化の教材!
小学生の苦手科目になりがちな算数。
RISU算数は、「算数に特化」した教材で、子どもの理解度に合わせて、学習ステージを自由に選べ、効果的に算数を伸ばせます。
また、忘れてしまうタイミングでの通知や、間違いが多い問題を自動で出題してくれる、「2つの復習」があります。子どもが算数苦手から、好きに変わったら大きな成果ですよね。
1週間、専用のタブレットで無料お試しができるので、実践問題を解いてみましょう。
・月額:2,750円~
・算数の基礎から応用まで学べる
・1週間お試しできる
楽しく勉強して成績を伸ばそう!
子どもがなかなか宿題をしない、テストの成績が悪いと「勉強しなさい!」とついつい言ってしまいたくなりますよね。
ですがそういった感情から出てしまう言葉はよい影響があるとは言えないでしょう。
まずは子どものつまずきを理解した上で、「勉強が楽しい!」と思える環境づくりをしたいもの。
そこで子どもの話に耳を傾けて、勉強しやすい環境を整えたり、家庭学習を取り入れたりするのも有効です。
子どもの将来のため、困りごとを放置せずに「今できること」を取り組みましょう。