朝、子どもに「早くして!」と言ってしまった後、なんだか後味が悪くて自己嫌悪になる——そんな経験、ありますよね。
道具や仕組みを変えるより先に、声かけや接し方をほんの少し変えるだけで、バトルが減ることがあります。
イベントプラスは2015年の設立以来、累計10,000件以上の親子向けイベントを企画・運営してきました。
その現場で何千組もの親子を見てきた経験をもとに、今日の朝からすぐ試せる声かけの工夫をまとめました。
完璧にできなくていい。まず一つだけ、試してみてください。
目次
毎朝「早くして!」と言ってしまうのは、あなただけじゃない
講談社コクリコが行ったアンケート調査(2022年)によると、「子どもの朝の身支度でイライラすることがある」と回答したママは全体の82.2%にのぼります。
約8割のママが、同じように朝バトルを経験しているのです。
「早くして!」と言ってしまった自分を責めなくて、大丈夫です。
朝の時間に必死なだけで、あなたがダメなわけじゃない。
そもそも、子どもが朝の準備に時間がかかるのには理由があります。
3〜8歳の子どもは、時間という概念がまだ体に染み込んでいない時期です。
「10分後に出発」と言われても、大人と同じようには感覚がつかめません。
できていないのではなく、今まさに時間感覚が育っている最中——そう捉えると、少し気持ちが楽になりませんか。
イベントプラスの現場で毎週のように親子を見ていると、平日の朝と、お楽しみのイベント当日の朝では、同じ子どもとは思えないほど動きが違います。
子どもが動かないのは「やる気がない」のではなく、「動く理由」がまだ見つかっていないだけ、ということが多いのです。
子どもが自分から動き出す「声かけ」の小さな工夫
声かけを一つ変えるだけで、朝の空気がガラッと変わることがあります。
「命令する言葉」から「一緒に動く言葉」へ。
ほんの少しの違いですが、子どもの反応は大きく変わります。
「早くして」より「よーいどん」が刺さる理由
「早くして!」は、子どもにとって命令の言葉です。
受け取る側は「急かされている」と感じて、むしろ体がフリーズしてしまうことがあります。
一方で「よーいどん、どっちが先に靴下はけるか勝負!」は、子どもの競争心に火をつける声かけです。
子どもはゲームに変わった途端、いきいきと動き出します。
「ママと競争しよう」「〇〇ちゃんが先か、ママが先か」——こういう言葉は、今日の朝からすぐ試せます。
兄弟がいる場合は「ふたりでママに勝てるかな」
兄弟がいるご家庭では、「どっちが早いか」で競わせると、負けた子が傷つくことがあります。
そのときに使えるのが「ふたり合わせて、ママに勝てるかな?」という言葉です。
兄弟が対立するのではなく、「ママ」という共通のライバルに向かって協力する形になります。
子どもたちが団結して準備を進める姿は、見ていてほほえましいものです。
「次は何するんだっけ?」と問いかける
「歯磨きして!」と言う代わりに、「次は何するんだっけ?」と問いかけてみてください。
命令されるのではなく、自分で考えて答えるという小さな経験が、子どもの自律性を育てます。
すぐに答えが返ってこなくても、焦らず待つのがポイントです。
考える時間を与えることで、子どもは「言われたから動く」ではなく「自分で決めて動く」練習をします。
ゲーム実況風の声かけで遊び感を出す
「今〇〇ちゃんが着替えに入りました!ズボンをはいた!シャツをつかんだ!」と実況中継するだけで、子どもは笑いながら動き出すことがあります。
多少オーバーなくらいでちょうどいいです。
朝の空気が「戦場」から「ゲーム会場」に変わる感覚を、ぜひ一度試してみてください。
褒めるなら「早かった」より「自分でできた」
「早かったね!」と褒めるのも悪くないのですが、毎回スピードを基準にすると、「急がないといけない」というプレッシャーを植え付けることがあります。
代わりに「自分でできたね」「一人でやり遂げたね」という言葉を意識してみてください。
自分で動けた、という達成感が積み重なると、子どもは「朝の準備は自分でやるもの」という自覚を少しずつ持ち始めます。
「もので釣る」のが嫌なときに試したいこと
シールやご褒美でつるのは気が進まない——そう感じているママは少なくありません。
もちろん、ご褒美を一切使わなくていいというわけではありませんが、「言葉で動かす」という選択肢があることを知っておくと気持ちが楽になります。
言葉で動かすことで育つのは、子ども自身の内発的なやる気です。
「やりたいから動く子」は、言われなくても自分で考えて行動できるようになっていきます。
「ママに勝った!」「今日は一番に準備できた!」という達成感は、外からもらうご褒美よりも長続きします。
子どもが自分から動いた瞬間を見逃さず、小さく「できたね」と声をかけ続けるだけでいい。
その積み重ねが、子どもを少しずつ変えていきます。
毎朝全部完璧にやろうとしなくて大丈夫です。
週に3回うまくいけば十分、くらいの気持ちで続けてみてください。
声かけが刺さる日もあれば、全然うまくいかない日もある。
それが子育ての普通です。
週末の楽しい予定が、平日の朝を変える話
イベントプラスの運営現場で、毎回気づかされることがあります。
イベント当日の朝、子どもたちは誰に起こされることもなく自分で起きてきます。
「今日どこ行くの?」と目を輝かせながら、ご飯もさっさと食べて、支度も自分でしてしまう。
「あの子、平日もこうだったらな」と感じたことのある親御さんは多いはずです。
これは「楽しい予定があると子どもは動く」というシンプルな原理です。
動機づけが外からではなく、子どもの内側から湧いてくるときの力は別格です。
このヒントは、平日の朝にも使えます。
前日の夜に「明日の朝、〇〇ちゃんの好きなパンケーキ作ろうか」「明日は〇〇公園に寄ってから保育園行こうか」と、翌朝の楽しいことをひとつだけ話しておく。
それだけで、翌朝の子どもの動き出しが変わることがあります。
週末の体験が積み重なると、もっと大きな変化が起きます。
「週末って楽しい」「また行きたい」という記憶が子どもの中に積み重なっていくと、「早く週末にならないかな」という気持ちが平日の朝を前向きにします。
工作、動物ふれあい、料理体験——こうした体験を通じて、「世界は楽しいことであふれている」という感覚を子どもに育てていくことが、長い目で見た朝バトルの解消につながります。
今日から試せる声かけ、まとめ
ここまでお伝えしてきた声かけを、最後にまとめます。
全部いっぺんにやろうとしなくていいです。
まず一つ、今日の朝に試してみてください。
「よーいどん」「ママと競争しよう」
命令ではなく競争心に火をつける一言です。
子どもはゲームが大好きなので、朝の準備をゲームにしてしまいましょう。
「次は何するんだっけ?」
命令ではなく問いかけ。
自分で考えて答える経験が、自律性の土台になります。
「自分でできたね」
スピードではなく、自分で動けたことを褒める言葉です。
結果より過程を見る視点が、子どもの自己肯定感を育てます。
前日の夜に「明日の楽しいこと」を一緒に話す
翌朝の動機づけを、夜のうちに仕込んでおく。
小さなことでいい。「明日はあのパンを食べよう」でも十分です。
完璧にできなくていい日もある、という自分への許可
「今日も声かけうまくいかなかった」と落ち込みそうになったら、思い出してください。
約8割のママが同じように悩んでいます。
毎朝うまくいかなくていい。週に数回変わればそれで十分です。
まとめ
「早くして!」と言ってしまうのは、朝の時間に必死なあなたがいる証拠です。
ダメなママだから言ってしまうのではなく、子どもに間に合ってほしくて必死なだけ。
声かけを一つだけ変えるところから始めてみてください。
「よーいどん」一言から、朝の空気は変わります。
そして週末に子どもと一緒に楽しい体験を積み重ねることが、平日の朝の自発性を育てることにもつながります。
親子の体験を通じて「また来週も楽しいことがある」と子どもが感じられる週末が、長い目で見た朝バトルの一番の処方箋かもしれません♪










