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大晦日になると聞こえてくる除夜の鐘の音ですが、ここ数年お寺の近隣住人からの苦情が相次ぎ、除夜の鐘つきを行わないお寺や夜中ではなく時間を変えて除夜の鐘を鳴らすところが増えてきています。そもそも除夜の鐘とはどんな意味があるのか?鐘をつく際のマナーなどを併せて、今回は小平市で除夜の鐘つき体験ができる穴場スポットをご紹介していきます。ぜひ今年の大晦日は、子どもを連れてご家族で除夜の鐘を響かせてくださいね。
除夜の鐘の意味とは?
「除夜」とは大晦日のことを指し、大晦日の夜にお寺が鐘をつくことを「除夜の鐘」と呼ばれ、日本仏教の行事の一つとなっています。「除」という言葉には、古いものをものを捨てて新しいものに移るという意味があり、人間の煩悩を除き新しい年を迎えようという願いを込め108回つくと言われています。
なぜ108回なのか?これには所説ありますが、人間の内側にある108の煩悩を除くという意味が込められています。煩悩とは、自分自身を苦しめる心のことを言い、煩悩は一人の人間につき108個あるとされています。除夜の鐘が一つ鳴ることで煩悩を一つずつ消し、来年は幸せに過ごしたいという願いが込められています。
除夜の鐘は誰がついているの?
除夜の鐘は、大晦日の内に107回つき、年が明けて新年を迎えてから最後の1回をつくのが正式なつき方です。お坊さんがつくところもあれば、一般の参拝者がつけるお寺もあります。しかし、最近では除夜の鐘の騒音問題が各地で取り上げられ、鐘の音がうるさいという近隣住人からの苦情が相次ぎ、除夜の鐘を取りやめるお寺も多くなってきています。大晦日の夜ではなく時間帯をずらして、日中に鐘を鳴らす「除夕の鐘」を行うお寺も増えてきています。夜中だと寒い中子どもを連れてでかけるのはなかなか大変ですが、日中であれば子どもも一緒に参拝することができるのでいいですよね。
鐘のつき方やマナーとは?
参拝の前に鐘をつくこと
本堂での参拝を終えてから鐘をついてしまうと、「戻り鐘」として縁起の悪いものとされているので、参拝の前に鐘をつくようにしましょう。
鐘の前では必ず、合掌・一礼を行います。鐘をつくための撞木についている紐を引き鐘を鳴らします。最後にもう一度、合掌・一礼をしながら仏様にご挨拶を行います。
鐘を激しくつかないこと
せっかくだからと、力いっぱい鐘をつくきたくなる気持ちも分かりますが、激しくつくことで場合によっては鐘や撞木が傷ついてしまうことがあります。心を穏やかにして、自分の煩悩と向き合い一年の感謝の気持ちを念じながら、丁寧に鐘をつくようにしてください。
小平市で除夜の鐘つき体験ができるスポット
泉蔵院
泉蔵院は、春には桜や梅が境内に咲き乱れ、長年地元の人から守られ続けているお寺です。大晦日は若者や家族連れなど多くの人で賑わい、鐘楼では行列ができるほどです。まず住職の読経が始まり、それが終わると住職、檀家の方々が順に鐘をついていきます。檀家の方々が、お鍋いっぱいのお汁粉や漬物を用意してくれています。焚き木のそばで熱々のお汁粉を頂くことができるので、身も心も温まりながら新年を迎えることができますよ。
住所:東京都小平市大沼町5-9-8
TEL:042-341-3836
アクセス:【西武新宿線】小平駅より徒歩20分、【バス】昭和病院北入り口より徒歩1分
小川寺
小川寺は、駅から歩いて15分ほどのところにあり、本堂裏の庭が綺麗に手入れがされていると評価が高いお寺です。春には、野菜の無人販売をしていたり、しだれ梅の木が咲き乱れます。除夜の鐘をつくことができる小川寺の梵鐘は、小平市有形文化財に指定され大切に扱われてきました。ぜひ、大晦日には子どもを連れて貴重な除夜の鐘を響かせに足を運んでみてはいかがでしょうか。
住所:東京都小平市小川町1丁目733
TEL:042-341-0760
アクセス:【西武鉄道拝島線】東大和市駅より徒歩15分
公式サイト:なし
延命寺
延命寺は、真言宗豊山派のお寺で境内にはお地蔵さんや七福神が祀られています。また木々が多く、小川が流れていたりと自然が豊かで、気持ち良く参拝することができます。山門前の庚申塔は市内に現存する庚申塔の中でも珍しく、小平市有形民俗文化財に指定されています。
大晦日の夜には、甘酒やぜんざい、漬物を配ってくれるので、多くの地元の方で賑わいます。
住所:東京都小平市天神町2丁目5
TEL:042-341-0449
アクセス:【バス】天神町二丁目停より徒歩2分、【西武新宿線】小平駅より徒歩15分
公式サイト:なし
まとめ
今回は、除夜の鐘についての意味や鐘をつく際のマナーなどと一緒に、小平市で除夜の鐘つき体験ができる穴場スポットをご紹介しました。年々、除夜の鐘をつくお寺は減って来てはいますが、昔からの伝統行事でもあるので子どもたちに一年で一度しかない鐘つきを経験させてあげたいですよね。ぜひ今回の記事を参考に、大晦日は子どもと一緒に小平市内のお寺へでかけてみて下さいね。