篆刻家・松丸東魚の仕事
当館では2019年度、篆刻家・松丸東魚のご子息である松丸道雄氏より松丸東魚篆刻作品等を一括して受贈いたしました。松丸東魚(1901-1975)は昭和期に活躍し、刻印の仕事はもちろん、秦漢古印の研究や書籍の出版も手掛け、日本の篆刻界に大きな足跡を残しました。当館に名を冠する會津八一との交流も知られています。
この度の受贈は、東魚刻印163顆、秦漢古印を中心に摹刻した橅古印330顆をはじめ、東魚が手がけた印譜、木活字、工芸作品、書作品、製作用具、刊行物など総計1382点に及びます。これを記念して、当館では「萬象、一刀の中にあり ―篆刻家・松丸東魚の仕事」展を開催することとなりました。文字を刻することに生涯を捧げた松丸東魚の仕事の全貌を、大学博物館ならではの多角的な視点でたどっていきます。