春の陽気の中、青空を悠々と泳ぐこいのぼり。こどもの日が近づくと、あちこちで見かける日本の春の風物詩ですね。大空を堂々と風に吹かれて泳ぐ姿は、勇ましさと美しさがあります。
昔から身近なこいのぼりですが、「いつ誕生したのか?」「由来と意味は?」と考えると、明確には知らない方も多いかもしれません。
そこで、こどもの日を前にして知っておきたい「こいのぼりの由来と意味」について、まとめました。こいのぼりに込められた願いを改めて振り返ると、こどもの日をより深く楽しむことができますよ。
【こいのぼりの由来は?】
こいのぼりは、日本独自の風習です。ただ、こいのぼりの起源は、中国の古い伝説にまで遡ります。昔、中国の黄河上流に、竜門という難所がありました。とても激しい水流だったので、竜門を登りきった魚は竜になれると言われ、登竜門伝説として広く知られるようになりました。この登竜門伝説にあやかって始まったとされるのが、こいのぼりの風習です。登竜門に向かった力強い魚たちのように、こいのぼりには「困難に揉まれながらも打ち勝って、将来大成しますように」という願いが込められています。
大空をのびのびと泳ぐこいのぼりを見上げると、難所に果敢に挑む強い魚の姿と重なりますね。
ちなみに、中国の後漢書によると、「竜門を登ろうとたくさんの魚たちが挑戦したが、鯉だけが登りきって竜になることができた」とあります。そのため、鯉が立身出世のシンボルになったと言われています。鯉だけが激流を登ることができたからこそ、縁起のいい象徴として大事にされてきたんですね。
【こいのぼりの歴史】
端午の節句は、奈良時代から始まったとされています。でも、最初は厄災を祓うための行事で、「子どもの成長のため」という側面はありませんでした。
それが江戸時代には、武家の中で男児が生まれると「のぼり」を立てることが広まり、「子どもの健やかな成長を願う日」として浸透していきました。のちに、町民のアイデアで登竜門伝説にちなんで「こいのぼり」を掲げるようになったようです。こいのぼりは、武家の「のぼり」への対抗心だったのではないかとも言われています。江戸時代の頃には、すでに「子どものための行事」として、こいのぼりがあったかと思うと驚きですね。
さて、現在では水と日差しに強い素材のこいのぼりが主流ですよね。でも、昔は和紙に鯉の絵を描いた簡易的なものでした。それから大正時代には、破れにくい綿のこいのぼりが出てきて、のちに雨が降っても色落ちしない素材のこいのぼりが生まれ、現在に至っています。
長い歴史と培ってきた技術を経て、今のこいのぼりがあるんですね。形は変わっても、こいのぼりに込める親から子どもへの願いは、変わらず残っているようです。
【こいのぼりの意味とは?】
そもそも、こいのぼりを揚げることには、どのような意味があるのでしょうか?
立身出世の象徴である鯉の「のぼり」を揚げることで、「男の子の健やかな成長と出世を願う」という意味があります。また、その家の男の子の誕生を近隣地域へ報告するという意味合いもあるようです。そして、天の神様にも「男の子が生まれました。どうぞお守りください。」と伝える役割も、こいのぼりは担っています。
【こいのぼりの色は昔と違う?】
今でこそ、黒・赤・青のこいのぼりが1セットとして、飾られているのが主流ですが、以前は真鯉(黒い鯉)だけが一般的でした。黒い鯉だけというのは、少し寂しい気もしてしまいますね。
それが明治時代からは、真鯉と緋鯉(赤い鯉)が揚げられるようになり、昭和の頃から子鯉(青い鯉)も加わるようになりました。現在の
ような、こいのぼりを家族に見立てて親しむ風習は、近年からのことのようです。
近頃は、緑やオレンジ色など、色彩豊かなこいのぼりも見るようになりました。2人目の子どもが生まれたら、ほかの色を足す家もあります。女の子の場合でも、男の子と同じようにこいのぼりを飾る家も見かけるようになりました。
【吹き流しの意味は?】
吹き流しとは、こいのぼりのいちばん上に付いている、カラフルな5色の飾りです。5色には意味があり、中国の五行説に由来しています。五行説とは、万物は5種類の元素でできているという考え方です。「木・火・土・金・水」という元素それぞれに、「青・赤・黄・白・黒」の5色を当てはめています。
五行説を由来とした吹き流しは、主に魔除けの意味を込めて飾られるようになりました。
こいのぼりと同じように、飾りにも人々の願いが込められているんですね。
こいのぼりの由来や意味について、ご紹介しました。子どもの健やかな成長を願って揚げられるこいのぼり。先人からの願いや想いを改めて知ることで、今年のこいのぼりの見方が少し深まるのではないでしょうか?こいのぼりの意味に想いを馳せながら、青空の中美しく泳ぐこいのぼりを見上げたいですね。
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