ひな祭りは、女の子の健やかな成長を願う大切な行事です。桃の花やひなあられを飾る中で、
なんといっても欠かせないのが、ひな人形ですよね。
日本人になじみ深いひな祭りですが、ひな人形の飾り方や注意点など、改めて考えるとわからないことも多いのではないでしょうか。
そこで、ひな祭りにまつわる、知っておきたい基礎知識をご紹介します!
「ひな人形はいつまで飾る?」「飾るときの注意点」「ひな祭りの由来と意味」など、知っておきたい情報ばかりですよ。
ひな祭りを改めて知って、年に一度のひな祭りを気持ちよく迎えましょう!
目次
ひな人形はいつ飾る?
出典:photo AC
ひな人形を飾る時期
かわいらしくて華やかなひな人形。できるだけ長く飾っておきたいですよね。
気になる「ひな人形を飾る時期」ですが、結論から言うと、ひな人形を飾る時期に明確なルールはありません。
ただ、一般的には「立春(2月4日ごろ)〜ひなまつりの一週間前」には飾るのがいいとされています。
立春は節分の豆まきが終わったタイミングです。鬼を追い払ったあとなので、縁起がいい時期ですね。
また、「遅くともひなまつりの一週間前までには飾る」というのは、一夜飾りを避けるためです。一夜飾りとは、ひなまつりの前日にひな人形を飾ることで、縁起が悪いといわれています。
せっかくの美しいひな人形なので、焦らず計画的に飾って楽しみましょう!
ひな人形を早く飾ってもいい?
「ひな人形を長く楽しめるように、1月から飾りたい」という方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに、早く飾る分にはいいように思えますが、「三月がけ(みつきがけ)」といって縁起が悪いという考え方もあります。三月がけとは、3ヶ月に渡って飾り続けることです。
でも、三月がけは考え方のひとつなので、必ずしも「1月から飾るのはタブー」というわけではありません。
いろいろな事情やスケジュールの都合もあると思うので、飾る時期のひとつの目安として覚えておくといいのではないでしょうか。
大安・友引に飾ろう!
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ひな人形を飾るタイミングで、可能であればおさえておきたいのがお日柄です。
縁起のいい「大安・友引」の日を選んでひな人形を飾れるといいですね。
人形を飾る日の場合は、天気はそれほど考えなくても大丈夫です。大安・友引のタイミングを優先して飾る日を決めましょう。
まとめると、ひな人形を飾る時期は「立春(2月4日ごろ)〜ひなまつりの一週間前の間で大安か友引の日」ということになります。
雨水(うすい)に飾ると縁起がいい
地域によっては、「雨水(うすい)」に飾るのがいいという考えもあります。
雨水とは二十四節気のひとつで、気候が暖かくなり雪や氷が溶けて、雨水が降り注ぐ日です。
水の神様は子宝や安産の神様でもあり、ひな人形を雨水に飾ることで良縁に結ばれるといわれているのです。
雨水は例年2月18日.19日あたりなので、ひな人形にまつわる知識として知っておくといいでしょう。
ひな人形を飾るときの注意点
どこに飾る?
「いざ、ひな人形を飾ろう!」と思っても、部屋のどこに飾ろうか迷うところですよね。
ひな人形を飾る場所は、直射日光の当たらない場所がおすすめです。
日の光は、衣装の色が変わってしまうもとになりかねません。きれいな状態をできるだけ維持できるように、直接日に当たらないところを探して飾りましょう。
暖房のそばも人形に悪影響が出てしまうかもしれないので避けた方がいいです。
人形を飾るときのポイント
人形を飾るときに気をつけたいのは、「ひな人形や金具に直接触れないようにすること」です。
指には脂分があるので、素手で触ると人形が汚れてしまったり、金具がさびてしまったりするかもしれません。
薄手の手袋などをして、大切に取り扱いましょう。購入したひな人形に「お手入れセット」として手袋や羽根ばたきがついている場合もあります。ぜひ活用して、丁寧にひな人形を飾りましょう。
しまい方の写真を撮っておく
ひな人形を飾るときは、後日しまうときのために収納されている状態を写真に撮っておくのがおすすめです。
ひな人形の収納には、小物やお人形ごとに、箱や紙の包みなどがたくさんついていますよね。
そのため、ひな人形をしまうとき、「どうやってしまうんだっけ?」と悩んでしまいがちです。
収納状態を写真に撮っておくことで、どうしまえばいいかが一目瞭然です。
忘れずに写真に撮って残しておきましょう。
ひな人形はいつまで飾る?
しまうのが遅いと婚期が遅れる?
よく「ひな人形をしまうのが遅いと婚期が遅れてしまう」といわれます。
不安になってしまうところですが、明確な根拠はないので安心して大丈夫です。
「だらだらと飾り続けず、きちんとしまいましょう」と注意を促したことに由来するようです。
天気がいい日にしまおう!
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早くしまうことも大事ですが、何より気にかけたいのは天気です。
ひな人形は湿気に弱いので、カラッと晴れた乾燥している日にしまうのがいいでしょう。
湿気の多い日にしまうと、人形と一緒に湿気までしまい込んでしまうことになります。カビやシミの原因となってしまうので、注意したいところです。
具体的なタイミングとしては、啓蟄(けいちつ3月6日ごろ)のよく晴れた日が最適です。
啓蟄も二十四節気のひとつなので、季節の節目の時期に、気持ちよく片づけができるといいですね。
ひな人形の上手なしまい方
とてもデリケートなひな人形。きれいな状態を長く保てるように、しまうときも大切に扱いましょう。
ひな人形の品質を保てる「ひな人形の上手なしまい方」をご紹介します。
しまうときに必要なもの
ひな人形をしまうときには、薄手の手袋、羽根ばたき、柔らかい布、人形用防虫剤を用意しておきます。防虫剤は衣類用ではなく、人形用の防虫剤を買いましょう。
ホコリを丁寧にとる
手袋をして、羽根ばたきでひな人形のホコリを丁寧に取りましょう。ホコリが残っていると虫食いの原因にもなるので、きれいにしておきます。
ひな人形の襟や袖口など、ホコリをとりにくい場所もありますが、できるだけ細かいところまで掃除します。
お顔や髪型部分には、最初についている白い薄紙をあてて収納します。
薄紙をなくしてしまったときは、ティッシュでも代用できますよ。
どこにしまう?
箱に収納できたら、どこにしまうのがいいのでしょうか?
おすすめは、押し入れの上段や天袋などです。比較的湿気が少なく、乾燥しすぎない場所で、ひな人形をしまうのに適していますよ。
飾りやすいひな人形は?
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ひな人形はとても華やかで癒されますが、飾るのが少し大変という声も聞きます。
ひな人形を飾る負担を少なくしたいという方は、「ケース飾り」のひな人形はいかがでしょうか。お人形や小物類などがすべて飾られた状態で透明ケースに入っているので、飾るのがとても簡単です。
また、飾り台が収納箱になっていて、箱の中にすべて収納できる「収納飾り」もあります。かさばりやすい飾り台を収納箱として使えるので、コンパクトにしまえます。
収納スペースが限られている場合や、引越しが多いご家庭は、ケース飾りや収納飾りのひな人形を選ぶとしまいやすいですよ。
参考として、以下にひな人形ブランドのケース飾り・収納飾り商品の一部をご紹介します。
吉徳のケース飾りはこちら:
https://www.yoshitoku.co.jp/c/hina/hina-case
吉徳の収納飾りはこちら:
https://www.yoshitoku.co.jp/c/hina/hina-syuunou
久月のケース飾りはこちら:
http://netshop.kyugetsu.com/shopbrand/hina08/
久月の収納飾りはこちら:
http://netshop.kyugetsu.com/shopbrand/hina12/
なぜ、ひな人形を飾るのか?
そもそも、なぜひな人形を飾る風習が始まったのでしょうか?
ひな人形の由来を知ることで、ひな祭りをより大切に過ごせます。ひな祭りの意味について、子どもと一緒に話してみましょう。
ひな祭りの由来と歴史
ひな祭りの由来は中国から伝わった「五節句(ごせっく)」という行事のひとつ「上巳(じょうし)」といわれています。
古くから季節の変わり目である「節」のころは、邪気が入りやすいとされていたので、春には自分の邪気を人形に移して川に流す「流し雛(ながしびな)」が行われていました。
日本では、貴族の時代に人形を着飾ってままごとをするのが流行り、江戸時代ごろにかけて家の中に飾るようになりました。こうしてひな祭りが行われるようになったのです。
現在では人形を流さずに家に飾るのが主流となっていますが、地方によっては今でも流し雛を行事として行っているところがあります。
ひな祭りを「桃の節句」と呼ぶことがありますよね。これは中国の上巳の節句で桃の花が使われていたことに由来しています。
中国では桃の花に長寿や魔除けの力があるとされており、厄払いや健康祈願のお守りとして古くから親しまれてきました。
飾るだけでなく、桃の花のお酒を飲んだり、桃の葉を浮かべたお風呂に入ったりして厄払いをしていたんですよ。
《マメ知識!五節句ってなんのこと?》
・1月7日の「人日(七草がゆ)」
・3月3日の「上巳(桃の節句)」
・5月5日の「端午(菖蒲の節句)」
・7月7日の「七夕(星祭)」
・9月9日の「重陽(菊の節句)」
以上の5つの節目の日をまとめて「五節句」と言います。
ひな祭りの料理をご紹介!
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ひな祭りに向けて、ひな人形の他にもお料理の用意を考えているのではないでしょうか?ここからはひな祭りに食べる伝統的な食べ物についてご紹介したいと思います!
菱餅
ひな祭りといえば3色の菱餅を連想する人も多いかもしれませんね。菱餅のルーツは、ひな祭りの起源である上巳で食べていたお餅で、母子が健やかで健康であるようにという願いが込められています。日本では最初はよもぎ餅の緑色だけでしたが、江戸時代に菱を入れた白い餅が、明治時代にくちなしを入れた赤い餅が加わって、3色となりました。3色にはそれぞれ以下のような意味があります。
桃色(赤):赤は魔よけの色。桃色も厄除けに使われる。
白:子孫繁栄、長寿、純潔を願う。
緑:強い香りがあるよもぎ餅。健やかな成長を願う。
白酒・甘酒
桃が「百歳(ももとせ)」に通じることから長寿を願って、桃の花びらを漬けた酒にひたした 「桃花酒(とうかしゅ)」を飲む風習がありました。
日本では江戸時代頃からみりんに蒸したコメや麹を混ぜて発酵させた「白酒」が好まれるようになり、定着していきました。
白酒はお酒ですから、大人しか飲めないので子どもたちには甘酒がおすすめです。
甘酒には2種類あり、酒粕を使ったものはアルコールを含みますが、ご飯に米麹を混ぜて一昼夜ねかせて作るものはアルコール度数1%未満なので、子どもでも飲むことができます。
はまぐり
はまぐりなどの二枚貝は、対になっている貝殻しか絶対に合わないことから貞操の象徴とされています。その様子から、相性の良い結婚相手と結ばれて仲睦まじく過ごせる、夫婦円満のシンボルとなりました。
盛りつけるときに、開いた貝の両側にそれぞれ身をのせて将来の幸せをみんなで祈っていただきます。
まとめ
ひな祭りを飾る時期や由来についてご紹介しました。ぜひ、ご家族みんなにもお話してあげてくださいね。
ひな人形にまつわるいろいろなルールや考え方はありますが、「子供の健やかな成長を祝う」という気持ちが一番大事です。
決まりごとは参考として覚えておいて、お祝いの日を子どもと一緒に楽しみましょう!
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